Forest Baubiologie Studio,森林・環境建築研究所

 
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月的寓居 I「月舞台」

東京八王子市・野猿峠突端の崖地に建つ、建築家 落合俊也の実験的な作品住宅で、森林・環境建築研究所の事務所を兼ねる建物。西向きの斜面で、夏の日差し制御のために設けたバッファゾーン(デッキ)が特長。建具を4周にまわすことで、季節や時間に応じて内部にしたり外部にしたりできる多機能な舞台のような空間を作った。夕焼けの山並みと三日月が浮かぶ眺望が素晴らしいので、ここを「月舞台」と命名。伝統軸組工法と、超高断熱高気密化の両立、パッシブ設計、職種を減らして職人の手作業を主導的に反映するような施工管理など、2007年当時のさまざまな研究課題と向き合った。

●面積:敷地/174.23m²、延床/133.76m² ●家族構成:夫婦

西側のデッキから東面をみる。温度差のある開口部と5mを超える天井高によって換気通風効果をつくりだした。

左:西側のデッキ。夕刻には山並みに沈む美しい夕陽を臨むことができる。
右:上部階に玄関口、キッチン奥に地階へ続く階段が見える。

左上:西側のデッキから北側を見る。
左下:地階の寝室。土間床は断熱せずに地盤の熱が反映するように設計。ベリメータの熱橋部分にヒーターが埋設してあり、地盤熱に足りない不足温度を補うことができる。これは夏の結露防止も兼ねている
右:地階左手が水回り 

木の価値認識を高めるために、新月伐採や葉枯らし天然乾燥の木材にこだわった。素材の力を見せる艶やかな無塗装仕上げ。製材された木は職人の手で面取りがされている。こうすることで全体的にどこか柔らかな印象になる。

玄関口のある東側外観。北と西側にしか開口がない。防火と耐候性の観点から外部には自然素材を出さず、内外の対比を際立たせた。

月的寓居シリーズとは

「月的寓居」シリーズは、日が暮れてからの時間を「夜」と扱わずに「昼化」させる現代住宅は本当の安息地にはならないのではないか、という課題に答えようとしたもの。住人の体内リズムが「夜」を感じて安息できる住宅設計を目指して「ムーンハウジング」「月的寓居」と名づけた。

 
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